ペルソナ分析とは?6つの分析手順や具体的な事例を紹介【保存版】

ペルソナ分析とは?
6つの分析手順や具体的な事例を紹介【保存版】

マーケティング戦略は企業のビジネス活動に必要なものであり、近年ではペルソナ分析による詳細なターゲットの分析が重要視されています。ペルソナ分析では従来よりもリアルな想定ユーザー像を作り出すことで、広告・提案活動に活用できます。

この記事では、ペルソナ分析の特徴やメリット、適切な手順などについて解説します。
目次

ペルソナ分析とは、顧客目線での商品・サービス開発の為に、想定顧客像を具体的に設定することです。マーケティング成功に不可欠な手法であり、ターゲットにあわせた詳細な分析とペルソナ設定が重要です。そもそもペルソナとは、自社が売り出そうとしている商品・サービスなどの想定ユーザーを具体的に表した、「典型的・象徴的なユーザー」のことです。似ている言葉としてに「ターゲット」が挙げられます。しかし、ペルソナ分析では商品・サービスを売り出す際に想定利用者として典型的・中心的なユーザー像を作るため、ターゲットよりも具体的な概念だと言えます。

ペルソナを設定する際には氏名や年齢、職業や家族構成、趣味などに至るまで詳細に書き出し、具体的にイメージさせることが大切です。かつては市場を「20代後半・男性」などの大まかなセグメントに分けるターゲット分析が行われていました。しかしインターネットの浸透によって類似商品の比較が容易となった現代では、より対象ユーザーを詳しくに定義するペルソナ分析の手法が注目を浴びるようになったのです。

ペルソナ分析によって顧客視点を持ちやすくなり、従来のマーケティングでは販売側が持ち得なかった気付きを得られます。

関連記事:カスタマージャーニーとは?マップの作成方法や企業事例を学ぼう
関連記事:市場調査とは?マーケティングリサーチとの違いや実施ポイントを解説

ここでは、ペルソナ分析を用いたマーケティングのメリットを3つに整理して解説します

ペルソナ分析によって、担当者全員に共通のユーザー像が植え付けられるため、認識のズレが無くなります。ペルソナを設定することでチーム内はもちろん他部署間や会社全体でも認識のズレがなくなり、一貫性のあるマーケティング実施が期待できます。その結果として、自社商品のブランディングが強化されるでしょう。

ペルソナ分析によって、プロジェクトを効率よく回すことも期待できます。担当者間の認識のズレがなくなることで、プロジェクトの進行における作業の手戻りなどが発生しにくくなり、結果としてプロジェクトが効率的に進展するのです。万が一、プロジェクトが遅滞してしまうと、スケジュール遅延やその分のコスト増加などのトラブルが想定されるため、ペルソナ分析の効果は大きいと言えます。

ペルソナ分析によって、ターゲットを絞った広告が実施できます。ペルソナ分析では、想定するユーザー像を年収や趣味に至るまで細かく設定するため、ターゲットを絞った広告が実施できるのです。ターゲットを絞ることで、対象の層にインパクトを与える広告を選択できます。

例えばキャッチコピーやデザインを考える場合、想定ユーザーがはっきりしないままでは「万人受けするコピー・デザイン」に終始し、結局誰にも注目されない広告になってしまいます。しかしペルソナ分析によって特定の層には間違いなく注目されるキャッチコピーやデザインを生み出すことにつながるでしょう。

関連記事:ABC分析とは?マーケティング強化を実現する活用方法を紹介

img/食品関連の具体例から学ぶ!6つのペルソナ分析手順

ここでは、ペルソナ分析の手順を、食品関連の具体例から6つに整理して解説します。

ペルソナ分析ではまず、「どんな人がこの商品を買うのか」というターゲット層を決め、その後にターゲット層の情報を集めます。例えば、年齢や性別などの属性で顧客をグルーピングしたものを参考にします。この段階で、どのような情報が必要になるかもあらかじめ決めておきましょう。情報収集方法には、いくつかの手段があります。

詳しい特徴について1つずつ確認してみましょう。

情報収集手段の1つ目として挙げられるのが、類似の商品から顧客情報を収集する方法です。例えばレシートの情報を活用すると、顧客情報が得やすいでしょう。レシートからは、商品購入者の属性や購入傾向、嗜好など様々な情報が得られます。弊社のレシート活用ソリューション「IDレシートBIツール」を活用すれば、購買データを誰でも自由に、制限なく収集可能です。営業や広告の根拠となるデータが簡単に集められ、商品購入者のペルソナをより高レベルで細かく設定できます。

情報収集方法には、一般的に公開されているデータの活用も挙げられます。総務省統計局や経済産業省などといった公的機関は国勢調査、人口推移、家計調査などの統計データを毎年発表しているため、自社の参考になりそうなデータを活用しましょう。また、業界団体や業界のリードカンパニーなどが統計調査を行っている場合もあり、自社に有益となる情報は積極的に活用してください。

既存の顧客や過去の購入者に対してアンケートを実施し、ニーズを確認する方法も考えられます。アンケートであれば、ユーザーの本音を得やすいと言えます。質問項目には、質問に対して1つだけ答えを選ぶ単一選択型や、複数の選択肢を選べる複数選択型などがあります。そしてペルソナ分析に使用するアンケートは、単一選択型が望ましいでしょう。単一選択型なら回答者は選択肢の中から1つを選べばいいので手間がかからず、回答率を高められます。また集計時にも、単一選択型ならアンケート結果の確認がしやすいでしょう。

関連記事:アンケート調査の調査方法や内容、主な例などを紹介!

情報を収集したら、集めた情報の属性を分類してグループに分け、それぞれのグループからインタビュー対象者を決定しましょう。それぞれのグループ属性に類するインタビュー対象者を、少なくとも各5人以上は挙げます。インタビュー対象者を決める際には、自社にとって重要だと考えられる属性は排除しないよう留意しましょう。

次に、精査して決めたインタビュー対象者に向けてインタビューを実施します。ペルソナの設定はユーザーの感じていることを把握するために行います。そのため、ユーザーの生の声を確認できるインタビューの実施は重要なフェーズです。 インタビューを実施する際には、確認項目や注意点を洗い出しておくことが大切だと言えます。

インタビューにおける確認項目は、以下の通りです。

<基本情報(デモグラフィック情報)>
・氏名
・性別
・職業
・年収
・年齢
・未婚・既婚
・居住地
・家族構成
・学歴  など

<仕事関連>
・職種
・所属部門
・役職
・勤続年数 など

<ライフスタイル>
・趣味
・人生や仕事のゴール
・消費行動
・頻繁に利用するメディア
・休日の過ごし方
・よく買い物するお店 など

上記を中心に、インタビューを実施しましょう。

インタビュー実施時には、対象者の本音をより引き出す質問をすることが大切です。具体的には、ユーザーが商品のことを知る前と知った後における感情の変化を確認することで、対象者の本音に近づけるでしょう。

インタビューを実施したら、集めた結果を元にペルソナの骨組みを設定します。インタビューの確認項目に結果を箇条書きにすると、整理がしやすいでしょう。例えば、ダイエット食品の販売に対するペルソナを設定するとしたら、以下のような骨組みが考えられます。

<基本情報>
職業:メーカー勤務(SIer)
年収:1,500万円
年齢:52歳
未婚・既婚:既婚
居住地:神奈川県厚木市の戸建て住宅
家族構成:妻と息子、娘(共に成人済み)
学歴:A工業大学工学部

<仕事関連>
職種:エンジニア
所属部門:システム開発部門
役職:部長
勤続年数:30年

<ライフスタイル>
趣味:テニス
人生や仕事のゴール:定年後、妻と二人で老後を楽しむ
消費行動:無駄遣いはしない。お酒と趣味のものを中心に購入。
頻繁に利用するメディア:iPhone
休日の過ごし方:妻と一緒に料理やテニス
よく買い物するお店:スポーツショップと近所のスーパー、デパート

ここまでで設定した骨組みを元にペルソナの物語・シナリオを作成します。この段階で、名前も決定しましょう。名前の重要度はそれほど高くないため、名前をランダムにピックアップして問題ありません。シナリオ作成をすることで、他の担当者が感情移入しやすくするなる効果が期待できます。作成時には、ペルソナがなぜ(理由)/どのような媒体(方法)を通じてその商品を購入にするに至ったのか(意思決定)をストーリー内で明確にしましょう。

ここまでで設定した骨組みを元にペルソナの物語・シナリオを作成します。この段階で、名前も決定しましょう。名前の重要度はそれほど高くないため、名前をランダムにピックアップして問題ありません。シナリオ作成をすることで、他の担当者が感情移入しやすくするなる効果が期待できます。作成時には、ペルソナがなぜ(理由)/どのような媒体(方法)を通じてその商品を購入にするに至ったのか(意思決定)をストーリー内で明確にしましょう。 最後に、完成したペルソナがどれだけ現実的で感情移入できるものかを確認し、ペルソナの完成度を確かめましょう。確認する中でペルソナが適切でないと判断した場合は、もう一度ペルソナの骨組みを見直して再考してください。ペルソナの人物に写真を用意してみると、現実味を帯びて感情移入しやすくなります。

ここで紹介した6ステップを意識して行うことで、質の高いペルソナ分析ができるので実践してみてください。

関連記事:デプスインタビューのメリットや事例、人数やフローなどを徹底解説!

「IDレシートBIツール」は、顧客の購買行動の把握によって効果的なマーケティングに貢献するツールです。数万規模のお買い物レシートのデータを蓄積した「IDレシート」は、商品の買われ方や顧客の嗜好、価値観などを把握でき、顧客の可視化を実現します。また莫大なデータを整理するBIツールによって、様々な業務を抱える多忙なマーケターでも求める情報の特徴を簡単に掴むことが可能です。

IDレシートBIツールは事実に基づいた仮説立てやマーケティングに活用でき、効果的な経営戦略をサポートします。

レシートには、顧客の思考や市場の実態を把握できる有益な情報が満載です。具体的にはレシート1枚で、日付・時間・商品名及び金額(値引・単価・個数)・合計金額・電話番号、さらには購入した店舗のチェーン名・店舗名などの情報からユーザのリアルな購買行動を把握できます。

購買行動の把握や分析によって顧客理解を深めることができ、事実に基づいたマーケティングが可能となるのです。

IDレシートBIツールには他にはない独自の魅力があります。

  • チェーンや業態横断での買い回りが見える
  • モニタじゃない自然な購買を把握できる
  • 定型レポートで誰でもすぐ使える


詳しい特徴について1つずつ確認してみましょう。

POSデータや消費者パネルの購買調査データは種類によって範囲や用途が限定され、なかなかマーケティング上で有効活用できなかった方もいるかもしれません。しかしIDレシートBIツールは、流通チェーン・業態・商品カテゴリ横断してデータを把握できる他にはない特徴を有しています。

例えば、時期・エリア・チェーンで絞りデータを照会することで、職場にいながら自社や他社商品の実売価格を確認できます。また商品カテゴリを越えた併買が確認できるため、顧客の嗜好や行動パターンを明確に捉えやすくなるのです。

外食レシートも併せて分析すると顧客嗜好をより詳細に把握でき、これまで見えなかった課題の特定ができる可能性もあるでしょう。

自然でリアルな購買情報が蓄積されているため、ペルソナがさらに高解像度で捉えられます。蓄積されたデータは、商品購入者の属性、同時/同期間併買や外食傾向などがわかりやすく整理されており、事実データが一目瞭然です。

そのため「このチェーンではこう売れている」「このカテゴリと一緒に買われている」など、POSデータでは見えづらかった根拠となるデータがIDレシートBIツールでは簡単に集められるのです。集められたデータは説得力のあるエビデンスとして商談材料に使用でき、新たなビジネスを生み出す可能性を広げられます。

有益で莫大なデータでも誰もが使いやすい、具体的・直感的な定型レポートが提供されます。データは商品・購入者・購入店の3つの軸に分かれレポート化され、様々な切り口でのフィルター検索が可能であることやグラフ表示によって、直感的な操作や情報把握が可能です。

そのため商談前にさっと情報を調べることから、職場でじっくり情報分析を行うことまで、シーンに応じて幅広く活用できます。必要な情報に特化したデータ収集はもちろん、新たな気づきや課題の発見まで可能となり、莫大なデータを有益に使いこなすことができるのです。

それでは具体的に「IDレシートデータ」から、どのような分析が可能なのか、実際の分析事例を紹介しましょう。

既に公開している分析レポートの中には、「ピンポイントなターゲティング商品が、本当にそのターゲットに購入されているか」を分析しているものがあります。実際のペルソナ分析の検証例として、参考にしてみてください。

2022年6月、フードペアリングを「からあげ」に限定した新しいコーラ「ペプシからあげ専用」が発売されました。そこで、本当に「ペプシからあげ専用」は、からあげと一緒に買われているかを検証してみました。

■「ペプシからあげ専用」の「からあげ併買率」は?
「ペプシからあげ専用」が「からあげ」と一緒に買われているかを評価するためには、ベンチマークとなる比較対象が必要です。そのため、「コーラ飲料全体」をベンチマークとして、「からあげ併買率」を調べてみました。


グラフ

結果は、「コーラ飲料全体」の「からあげ併買率」が4.9%なのに対して、「ペプシからあげ専用」は7.9%と、3ポイント高いことが分かりました。

■そもそもからあげって、どんな飲料と併買されているの?
では、そもそも「からあげ」は、どのような飲料と一緒に購入されているのでしょうか。
次に「からあげ」から逆引き的して、どんな飲料と一緒に買われているかを調べました。


グラフ

やはり強いのは炭酸飲料とコーラ、1位と2位となっています。
お酒もTOP10に入りして、スピリッツが4位、リキュール類が9位になっています。

お酒がランキングされているということは、時間帯別に見ると、ランキングには変動がありそうです。そこで、時間帯別や男女別・年代別など、属性を切り替えて、「からあげ」と一緒に買われているドリンクを検証していきました。すると、それぞれの属性での特徴が見えてきました。

詳細は、下記のURLでレポートをご覧ください。
https://receiptreward.jp/solution/report/pepsi-karaage.html

上記のように、公開しているIDレシートデータの分析レポートでは、様々な視点での分析例が掲載されています。マーケティングにおけるデータ分析のヒントとして、ぜひご活用ください。

"IDレシートデータ"活用事例は、こちらをご覧ください。
https://receiptreward.jp/solution/report/

ペルソナ分析はマーケティング戦略に不可欠であり、想定するユーザー像を可能な限り詳細にイメージできるようにすることが肝心です。ペルソナ分析によって担当者間で認識のブレがなくなり、プロジェクトが円滑に進むでしょう。ペルソナ分析にはある程度、理想的な手順・方法があるため、適切に実施して充実したマーケティング活動につなげましょう。

詳しいIDレシートBIツールの情報についてはこちらをご覧ください。

お問い合わせ

流通横断かつユーザ軸での貴社/競合ユーザ様の購買動向の違いが分かります。

詳細資料・サンプルレポートをご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。